オーディオが好きだ。特にポータブルオーディオ、略してポタオデと呼ばれるジャンルが好きである。ポータブルオーディオというが私の場合は特に持ち歩くわけではなく、ヘッドフォンをよく聞くのでポタオデ界隈の情報を摂取するという感じになっている。
そういうわけで一時期は家にヘッドフォンだけでも15個くらいあった。この趣味を始めてから10年以上になるので、それだけの時間をかけてコツコツ買い集めたヘッドフォンたちだった。
なぜ過去形なのかというと、去年のある時期に突然「耳はひと組しかない」という当たり前すぎることに気がついて、ほとんどのヘッドフォンを処分したのだ。収納にも困っていたし、この選択自体は後悔していない。嘘。ちょっとだけ後悔してる。
でも、これでオーディオ趣味から足を洗ったと思ったのだが、もしかしたら以前よりももっと酷くなるようなぶり返しが来ているかも知れない。
なぜかというと、買ってしまったからだ。FiiOのM33 R2Rを。
今まではヘッドフォンばかり色々買って、音楽プレイヤー自体はエントリークラスのもので済ませてきた。しかし、M33 R2Rはまだそこまで高いプレイヤーではないとはいえ、エントリークラスとは言えない金額感(12万円前後)だ。数々のヘッドフォンを処分したあとにこれを買ってしまったのは正直順番がおかしいが、欲しくなってしまったのだから仕方ない。
そして家に残っていたSHURE SRH840AやAshidavox HA-SX12/HD、Sennheiser HD-25 Aluminiumで聴いて楽しんでいる。今まで使ってきたプレイヤーのFiiO JM21(初期型)だとHA-SX12/HD(リケーブル済み)が一番好みの音が出ていたのだが、M33 R2RだとSRH840AやHD-25 Aluminiumの良さを再確認してしまった。
ここにきてようやくヘッドフォンには駆動力が大事なのだなということに気づく。手放したヘッドフォンの中にも駆動力が足りていなくてイマイチに感じていたものがきっとあっただろうな。
そして何でもかんでもバランス接続がいいとも思っていたけれど、良さを再確認した二機種はシングルエンドだったのもあり、HA-SX12/HDも元のシングルエンドのケーブルに戻してみたところ、またなんとも言えない好みの音を鳴らしてくれるのに気づく。
これはきっとヘッドフォンはなんでも駆動力が高ければいいのではなく、設計者が意図した駆動力で聴くのがいいのかも知れないという気づきだ。ああ、インピーダンスの数字を読めるようになりたい。
そして、駆動力の高いプレイヤーをせっかく手に入れたのだから、それが活かせるヘッドフォンを買いたい。今、そう思っている。とりあえず狙っているのはfinal DX4000 CLだ。処分したヘッドフォンで一番高かったものの2倍くらいするお値段ですね!でも試聴していいなぁと思ってしまったのだ。
なので、きっとこの趣味はもっと深い沼にハマろうとしているのだ。
趣味の沼はこわい。こわいけど、きっと心地よいだろう。