下流層が競争原理を好むのは、競争社会を努力が無ければ落ちていく社会ではなく、努力をすれば登れる社会だと捉えているからだと思われる。これ以上落ちる場所が無く、平均的な生き方の幅が中上流層と比べて広いため、競争から振り落とされる恐怖が極めて小さいのだ。
努力をしなければ生活のランクが落ち、平均から外れたことを自覚しやすいのが中上流層である。しかし、努力をしなくても今と生活は変わらず、周りの人々はそれぞれ異なった生活をしているので平均そのものを意識しにくいのが下流層である。
両者を比べた場合、より保守的になりやすいのは中上流層であろう。