なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

単行本版ルックバックを読みました

 単行本版のルックバックを読みました。犯人が統合失調症患者であることを示唆するような表現はなくなり、しかしながら犯人の動機はくっきりするという再度の修正が入っており、作品にとっても我々統合失調症患者にとってもよかった形になったと思いました。

 Twitterの反応を見てみると、犯人が激昂したところの台詞がよく引用されており、そこが元に戻ってよかったという声がよく見られました。

 一方で事件を報じる新聞に犯人に幻聴の症状があることを示唆する一文は無くなっているままだったのですが、そこを問題視する声はあまり見受けられませんでした。

 このことで、元の表現を問題視した人々と元の表現を支持した人々の間に意識のズレがあったことに気がつきました。

 元の表現を問題視した人々は犯人が統合失調症患者であると示唆されていることが問題だと思っていたのに、元の表現を支持した人々は犯人の背景が修正によって薄れてしまうことが問題だと思っていたのです。両者は同じ犯人の背景を論点にしながら、実は共存可能であった。なぜなら犯人の背景を描きつつ、統合失調症患者ではないとすることは可能だったからです。

 そこを見抜いて再度の修正を的確に入れてくださった藤本タツキ先生には頭が上がりません。

 本当にありがとうございました。