なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

ふわふわは幸せだと信じて

 今日、街を歩いていて何かが視界に入った。

 白くて、ふわふわで、風に煽られながら舞っている何か。

 それをつかむことができるだろうかと手を伸ばしてみたら、ちゃんとつかむことができた。

 それはよく見ると、ホコリのように細かく何十本にも割かれたナイロンひもの切れっぱしで、どこかの工事現場などから飛んできたのだろうかと思いながらも、よくこんな空を舞うような状態になって飛んできたものだと感心してしまった。

 この、軽くて白くてフワフワしたナイロンひもから、私はなんとなく幸せを連想した。幸せのケセランパサランとはこういうもののことを言うのではないかと。

 そして、それをまた風に任せて手放した。白くてフワフワしたそれは、強めの風に乗ってすぐに見えなくなってしまった。

 それをつかむことができた私は幸運なのだと信じよう。私が手放したそれが、また誰かのところに幸運のしるしとして訪れることを祈ろう。

 それが本当の幸運のしるしとなるように、私の歩む道を選ぼう。