数字は言葉の一種だ。量や程度といった意味を持って人に伝わる。言葉である以上、数字には人の心を動かす力が備わっている。また、言葉であるから文脈によって意味が違ってくる。
この数字の文脈を間違えないことが一番肝心である。11/11という数字があったとして、11分の11と読むか、11月11日と読むかの差は大きい。
数字が指標として信頼されているのは、同じ手続きで計算したなら同じ答えになることに由来する。つまり、同じ文脈で扱ったのならば同じ意味になるからこそ信頼されている。
だから計算過程を隠して数字だけ出されても、その信頼性というものはないに等しい。その数字の文脈が適切なのか検証することができないからだ。
便利な数字はつい受け入れてしまいがちになるけれど、文脈が検証できない数字を無闇に信じることは止めたい。そして、いい加減な数字を使うことも。