なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

過去のことは忘れたい

過去のことを引きずらず、常に今の自分として生きていきたい。

私は物心ついた頃には自分を不当に扱う母に対して強い恨みを持っており、思春期にはこの恨みを忘れたら自分は自分ではなくなると思っていたが、今となってはその恨みを大体忘れている。記憶としては残っているが、感情としては忘れてしまった。

それで私は私ではなくなったのかというと、そんな感じはしない。もちろん、自分が過去の自分と変わってしまってもそれを認識するのは非常に難しいので、もしかしたら本当に変わってしまったのかも知れないが、それでなんら不都合は感じない。

であるならば、私はなるべく過去の感情を忘れて生きていきたいと思う。

私は今、既に過去の私ではない。それなのに、過去の感情に引きずられていると、今の私と関係を築いてくださっている方々に思いもしない失礼を働いてしまうと思うからだ。

過去は過去で何も変わらないのだから、出来ることは忘れることだけだ。

かつて読んだ漫画に人は忘れるから生きていけるという言葉があったが、それを読んだ10代の頃の私はこの言葉はウソだと思った。母に対する恨みが忘れられない。それで生きるのが辛いのではないかと。しかしあれから20年、今は忘れている。そして、かつてほど生きるのは辛くない。だから、今となってはあの言葉は至言だったと思える。